◇ペレグリン 社長のコラム◇
第25回【金利と債券価格の関連】
第25回
金利と債券価格の関連
前回、金利の変動によって債券価格は大きく変動することをお話ししました。
米国においては、2022年ごろからの強いインフレによって金利も上昇しましたので、債券投資をするには良いタイミングだと考えます。
しかしその前は、2008年のリーマンショック以降、長らくゼロ金利時代が続いていました。ゆえに、債券投資での利回りは、長らく非常に低かったです。
そもそも金利というのは、どれだけ低くても理屈ではゼロ以下はありませんが(例外的にマイナス金利政策という状況までになりましたが)、逆に上方向では数値上、青天井です。
現実的には経済との関係などで金利が無制限に上昇することはなく、アメリカを例にとると、足元の政策金利の上昇も、5%台ぐらいが天井になると予想されています。
下落する側は、本来ゼロが下限で、マイナス金利状態自体がそもそも異常な状況です。
そうすると、非常に金利の水準が低い時では、いくら安全性の高い資産だからといっても、金利はその後、いつかは上昇するとすれば、金利が低い時に購入していると、リターンはあまり得られないけれど、金利が上昇した局面では大きな損失を被る可能性がある、と言えるのです。
アセットクラスで投資先を考えた場合、当社ではゼロ金利時代には債券投資はまったくおすすめしていませんでした。
額面金額が保証されているとはいえ、金利の見通しや金利変動の循環的な動きから、価格が下がることが予見されている状態で、一言で安定的な投資と考えるのは安易かもしれません。
この考え方から言いますと、金利水準が低い時にあえて債券を無理して組み入れなくても良いと思います。
法人で運用規約があってやむを得ない場合などを除いて、個人の資産運用はやはりマーケットの見通しに合わせていかないと、安全性の高い資産でもデメリットが大きく出てしまう局面もあるということですね。
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