◇ペレグリン 社長のコラム◇
第46回【バブルは阻止できる?】
第46回
バブルは阻止できる?
バブルという言葉は日本語に訳すと「泡」なので、いずれは消えるということが想定されます。
では、歴史上のバブルといわれる現象は、未然に防ぐことはできなかったのでしょうか?
あくまでも個人的な見解になりますが、これはなかなか難しい話になるかと思います。
前回お話したように、例えばコロナ関連の銘柄においては、当時の株価が上がっていく中で、来年はもう業績は伸びないだろう、そろそろ落ち込むだろう、などという予想はほとんどの人ができなかったでしょう。
新しい時代を牽引していく会社に、もっともっと成長するだろうと期待を込めていたと思います。
このことを考えると、バブルの時の株式市場は、まさに期待に対する熱狂と思い込みで動いていますから、それがバブルでありいつ終わりになるのかいうことは、実際には気づきにくいですね。
問題なのは、少し冷静な方が、これはバブルかな、そろそろ危ないかな、と思っていても、その声が熱狂によってかき消される状態にあることです。
メディアでも煽るような論調でバブルの流れを作り出して人々の熱狂を後押しする面もありますので、バブルはまさに人々の感情が作り出していくものだと言えます。
リーマンショックの時もそうです。後になって、あの時のバブル崩壊を言い当てていた、という人はいます。
それが冷静な分析なのか、1つの意見として結果的に当たったのかは分かりませんが、いずれにしてもその時はその声が世の中に届かなかったわけですね。
臭いものに蓋をするじゃないですが、マーケットのように感情がすごく影響を及ぼすものは、特に都合の悪い情報はシャットアウトしがちな傾向にありますので、その意味ではバブルは分かっていても簡単には防げないものなのでしょう。
これがバブルを生みだす人間の心理です。
多くの人が、周りが見えなくなるまで熱狂している時はそろそろ天井、潮時なのかなと冷静に考えることが必要です。
ものの本質的や潜在的な価値が適正水準を大きくかけ離れ、人々が熱狂で値段を吊り上げていく現象がバブルですので、その名の由来の通り必ずいつか泡は弾けます。
結局のところバブルの崩壊は自分で予想して判断していくことが重要になります。
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このことを示唆する面白いエピソードを一つ紹介しましょう。
1920年代のアメリカ経済ですが、当時の株式バブルの崩壊を言い当てた人物がいます。ケネディ元大統領のお父様です。
当時は信用取引が始まり、一般の方も株式投資にのめり込むことでバブル的相場を作っていました。人気はフォードやGEだったらしいですが、○○の株を買えば上がるぞ、儲けたければ株を買いなさいという話を街角の靴磨きの少年までが言い出したそうです。
それを聞いてケネディ氏は、これはバブルが終わる。じきに株価は下げに転じるだろうと考え、自身は売りに転じてその後の暴落でも巨額の利益を得たそうです。
このような教訓は、覚えておいて損はないのではないでしょうか。
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