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NEWS RELEASEニュースリリース

◇ペレグリン 社長のコラム◇
第54回【米国債投資を考える➀ ~タイミングの考え方~】

COLUMN
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第54回 
米国債投資を考える➀ ~タイミングの考え方~

最近、ネット上でも米国債の買い方や買い時について、多くの情報が飛び交っています。
今回からは、どのような考え方でタイミングを検討すればばよいのか、米国債に投資をする際に押さえておきたい知識は何なのか、この点を中心に解説していきたいと思います。

まず、米国債への投資を考える上での3つのキーワードをお話しします。
1.インフレ率の推移
2.米国の政策金利
3.米国10年債の金利(利回り)水準

では、それぞれの簡単な定義だけおさえておきたいと思います。
昨年から物価の上昇が世界的に起こっているわけですが、一つ目のインフレ率というのは、この物価の上昇の動きになります。
二つ目、米国の政策金利。これは「中央銀行」が決定していますが、中央銀行の役割は、実は一番は物価の安定です。私達の生活が安定して送れるような適正な水準に物価を誘導して、景気をコントロールしていくという役割があります。中央銀行は金利の上げ下げを行って、物価の動きの調整や、景気の調整を行っています。
そして三つ目、米国10年債の利回り。米国債にも長いものから短いものまでたくさんの種類がありますが、目安としてよく用いられるのはこの10年物の国債の利回りです。裏を返せば取引をされている米国債の価格の動きになります。

少しややこしいですが、二つ目の政策金利というのは、中央銀行が誘導していきたい、これくらいの基準にしていきたいという目標となる金利水準です。
それに対して、実際に取引をされている基準となる金利水準が、三つ目の米国10年債の利回りということになります。

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では次に、この3つの関係性についてもう少しお話しします。
まず過去を振り返って、米国の政策金利と米国10年債の利回りと米国のインフレ率の推移を重ねて解説します。


まず、緑のグラフが物価の動き、つまりインフレ率ですが、2005年~2007年、2008年あたりにかけて上昇基調となりました。中国などの躍進によって世界経済が大きく成長した時期に当たります。
そしてその後、いわゆるサブプライムローン問題、リーマン・ショックと続き、2008年から2009年の大きな景気後退局面でインフレ率も大きく下がっています。

その後は緩やかな回復をしながら2019年から2020年にかけて、ちょうどコロナショックに当たりますが、再びインフレ率は大きく下落しました。ところが2022年になってロシアのウクライナ侵攻がきっかけとなり、原油価格など物価の急上昇という動きになりました。

ではこれに対して、金利の動き、政策金利を見ていきましょう。アメリカの中央銀行は、どのような金融政策をとっていたのかということを伺い知ることができます。オレンジのグラフです。
2008年までの間、物価が上昇基調にある局面は、一般的に景気も良い時になりますので、いわゆる利上げ、つまり中央銀行として誘導していきたい金利目標も上げていました

しかしながら、やはりリーマン・ショックが引き金となって2009年には世界景気が大きく落ち込みましたので、緊急的にゼロ金利まで下げています。そこからいわゆる大規模金融緩和の時代が始まりました。

ゼロ金利時代が続きましたが、2015年以降に大規模金融緩和の解除に向けて、徐々に金利の上昇ということで利上げが開始されました。
しかしながらコロナショックに遭遇し、また緊急的にゼロ金利政策に再突入したという流れになっています。
そして、記憶に新しいですが、2023年からのインフレ率の急上昇に伴って利上げも急ピッチに行われてきたということになります。

そして、青いグラフの米国10年債利回り、つまり、実際に取引され将来の金利水準の予測にもなる数値は、基本的にはこの政策金利の動きをなぞるはずなのですが、実際の取引価格としましてはやはり市場参加者の思惑であったり金利の先行きの動きを先取りしたりするという意味で、同じ動きをするわけではありません。
ただ、中長期的に見ますと、概ね政策金利の動きと方向性は一致しているように見受けられます

特にここで注目していただきたいのは、今、足元での金利上昇局面、確かに2024年に入ってやや一服感はありますけれども、過去20年で見てみますと、10年国債の利回り水準は今回の上昇局面で、この20年の間で過去最も高かった水準とほぼ一致しているのです。
国債の価格と利回りは裏表の関係にありますので、この20年間で見て、米国債は足元最も安い水準になっているということが注目点です。

では、皆様にとって大事なことは、この先どうなるのかということだと思いますが、これに関しては次回お話しします。

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