◇ペレグリン 社長のコラム◇
第60回【富裕層の資産運用④ ~2つの金融機関タイプ/「守る」編~】
第60回
富裕層の資産運用④ ~2つの金融機関タイプ/「守る」編~
前回に続いて、今回は「守る」金融機関についてお話しします。
世界の中ではスイスの金融機関が有名ですが、伝統あるプライベートバンクの中には資産を守ることに特化したところが多くあります。例を挙げるとピクテが代表的ですが、こういったプライベートバンクは非上場企業ですので、金融機関としての情報公開が十分されているわけではありません。そしてそれらの伝統的なプライベートバンクでは、一任勘定が基本になっています。
日本の金融機関と違うユニークな点としては、海外では担当者のことを、お客様との関係を繋ぐ担当者、専任担当者ということで、「リレーションシップマネージャー」と呼んだりします。その奥にお客様の運用を管理するポートフォリオマネージャー、もしくはファンドマネージャーがおり、この2人体制で顧客の運用をサポートするというのが一般的です。
そういったプライベートバンクに資金を預けたお客様は、例えば3ヶ月ごとにリレーションシップマネージャーとポートフォリオマネージャーと定期面談をして、運用状況のチェックや運用方針の確認、パフォーマンスを吟味して運用の委託を継続するか、はたまた打ち切るのか、そのようなミーティングを継続していくというスタンスになっています。
そうすると必然的に、日本のように「この金融商品、どうですか?」という個別商品お勧め型ではなくて、連続した時間軸の中で資産全体を管理していくというスタンスが、より鮮明になっていきます。
そのため、やはり富裕層の資産運用では、運用資産全体を一括で請け負うというスタンスが支持されています。
**********
ここまででお話ししてきたように、日本の金融機関の「攻める」スタンスと、スイスのプライベートバンクの「守る」スタンスのように、金融に関するカルチャーは、日本と海外で大きく異なります。
もちろんケースバイケースだと思いますが、例えば分かりやすい話を紹介しますと、日本では金融商品のひとつである投資信託が約6000種類あると言われています。
なぜこれほど数が多いのかと申しますと、これはやはり販売目線で売れる商品を出していくために、各社が名前を変えてどんどん新商品として発売していくというカルチャーだからでしょう。
一方海外では、新商品をお勧めするというよりは、長期的な資産運用をしっかりやっていくことの方が重視されるので、運用手段はどういうものを選ぼうかということが重要です。ですからやはり、新商品ではなく、歴史が長く、過去の動きについて情報が豊富な商品が支持されます。
例えば運用を担当するファンドマネージャーの考え方、もっと言うと投資哲学はどうなのか、途中のコストはどうなのかというような、実質的な中身の部分が重視されますので、新商品だと判断しにくく、商品の種類がやみくもに増えない、というわけなのです。
海外では、商品を選ぶ前に資産運用の目的や求めるリターンに対してリスクを取る方法に関心があるので、全体をきっちり管理してくれる一任勘定や、ポートフォリオを提案して管理してくれるマネージャーの存在が支持されているわけですね。
私自身の経験からも、資産運用をしっかり行っていくためには、どの商品を買ったらいいのかということよりも、どのような資産運用していくのか、計画とポートフォリオの作り方、そして運用中の管理、これが重要だと思っています。
そのような背景から、弊社でも、資産運用の計画からポートフォリオの立案、そして実行からアフターフォローまでをしっかりサポートしていくスタンスを重視しています。
ということで、ここまで富裕層の資産運用についてお話ししてまいりました。ぜひ、ご自身の資産運用の参考にしていただければ幸いです。
—————————————————————
弊社へのご相談・お問合せは、下記よりお待ちしております。
*お問い合わせフォームはこちら https://peregrine.co.jp/contact/
*公式ラインはこちら https://lin.ee/hKakhjm