◇ペレグリン 社長のコラム◇
第72回【NISAの活用~押さえておきたい4つのポイント④-2~】
第72回
NISAの活用~押さえておきたい4つのポイント④-2~
では、複利効果について、具体的な数字を用いた3つのパターンを例に考えてみましょう。
すべて、当初の投資を100と仮定します。
まず1つ目は、変動が大きい投資です。
1年目でプラス50%となりました。しかし2年目でマイナス40%、3年目でまたプラス40%、4年目でマイナス30%だったとします。
この場合は、最終的に88.2という結果になります。
2つ目は、中程度の変動の投資です。
1年目がプラス30%、2年目がマイナス20%、3年目がプラス30%、4年目がマイナス20%とします。
この場合は、最終的、108.16という結果になります。
最後に3つ目は、変動が小さい投資です。
1年目がプラス10%、2年目がマイナス10%、3年目がプラス25%、4年目がマイナス5%だったとします。
こうすると最終的には、117.6という結果になります。
実はこの3つのパターンは、いずれも平均のリターンは5%です。しかし上下の変動幅の違いによって、5年目の最終的なパフォーマンスが違ってきます。
計算上は同じ平均リターン5%なのに、これだけの差が生じてしまうわけです。
これを1000万円の投資だとすると、1番良かった3つ目のパフォーマンスと、1番悪かった1つ目のパフォーマンスの差は、なんと294万円にもなります。
なぜこれだけの差が生じてしまうかというと、途中の変動幅、つまりリスクが大きいため、変動の率の点から考えると、下落した分をリカバリーすることが難しいからです。
1つ目の例ですと、1年目に50%上昇して、1000万円は1500万円になります。しかし、2年目にマイナス40%になると1500万円が900万円まで落ちてしまいます。3年目に40%上がったとしても、1260万円までしか戻りません。そこから最後の4年目、30%下落したら882万円になってしまいます。
ではこの変動の幅を抑えるためにはどうしたらいいでしょうか?
これについてはまた詳しくお話ししたいと思いますが、簡単に言うならば資産を分散してリスクを抑えることが一つの考え方です。
ここから言えることは、長期である程度まとまった資金を運用していく場合は、変動リスクを抑えた運用をしていく方が、最終的には良い結果につながりやすいと考えられる、ということです。
ただし、この考え方は一括投資をして長期保有する場合に当てはまります。積立投資のように、毎月コツコツ投資を続けていく場合は必ずしも当てはまりません。
むしろ、下落局面でもコツコツ積み立てて保有数量を増やすことができる積立投資では、逆に変動が大きいことが有利に働くこともあります。
まとめると、投資商品のリスクの性質と投資の手法をしっかり使い分けて、それぞれの特徴と使い方を押さえた上で投資を行うことが重要になります。
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ということで、ここまで計5回にわたって、NISAの知っておきたい注意点についてお話してきました。
NISA制度は、将来への資産形成を応援する素晴らしい制度です。
メリットのみに注目するのではなく、そのメリットを最大限に生かすための注意点を頭において、ぜひ有効活用していただければと思います。
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