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元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム㉑】
数字の錯覚に、ご注意。損益を正しく理解するために…

COLUMN
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資産形成・豆知識21.
(資産運用をこれから始める時に知っておくべきこと)

数字の錯覚に、ご注意。損益を正しく理解するために…

資産運用を始めたばかりですと、表面的な数字に錯覚させられることがあります。
典型的なのは、1月プラス40%、2月マイナス30%、といった例です。

1月と2月の通算運用成績は、ついつい40-30=10、プラス10%のように思われますが、実は、マイナス2%です。(投資元本を100とする。)
100×(1+0.4)×(1-0.3)=98

なぜこのような錯覚が生じるかというと、計算開始基準が、変わったからです。
1月プラス40%は、12月末が計算基準、
2月マイナス30%は、1月末が計算基準です。
それゆえに、投資開始以来(12月末から)の成績はマイナス2%になります。

期間をぶつ切りにした表記には、強い思い込みが起きることがあります。しかし、錯覚です。
同様な例で、1月はマイナス40%、2月はプラス60%と聞くと、すごく儲かっているように思えます。しかし実態は、100×(1-0.4)×(1+0.6)=96、であり通算ではマイナス4%になります。

このようなことは物価上昇率でも同じです。基準日からの変化率と、期間をぶつ切りにした1年毎の上昇率の比較では錯覚しがちです。

例えば、10年間、毎年3%物価が上昇した場合と、3%ずつ物価が下落した時の結果は、どうでしょうか?10年間では30%上昇、30%下落と考えがちです。

しかし、結果は、
10年間3%物価上昇:(1+0.03)の10乗=1.34      34%の物価上昇
10年間3%物価下落:(1-0.03)の10乗=0.74      26%の物価下落
同じ3%の変化であっても、10年間で、上昇の時は30%より4%大きく、下落の時には30%より4%小さくなります。

毎年の上昇(下落)率は、前年の数字に対する変化であるため、上昇(下落)の時は毎年の基準となる数字は大きく(小さく)なるため、10年後の数字は単純に10倍した数字にはなりません。

金融商品を選ぶ際には、基準点を固定し、比較・分析することが重要です。

佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)

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