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元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.56】
株価収益率(PER)は有益な投資指標なのか?

COLUMN
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資産形成・豆知識56.

株価収益率(PER)は有益な投資指標なのか?

(PERの意味するところは?)

投資の際にPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)を参考にする人が多いかと思います。
このうちPERはどのように利用(あるいは、無視)するのが良いのでしょうか

PER=株価÷一株当たりの利益(今期)です。

これは、今の株価で投資した場合の投資元本回収に要する年限にあたります。
(一株利益が変化しないと仮定した場合)

PER20ならば、投資元本回収まで20年かかるということです。
(一株利益は、配当、内部留保、企業の投資等に充てられます。)

長期投資家の場合、投資回収までかかる年限は、投資利回りでもあります。
(PER20ならば、1÷20年=5% になります。)

しかし、下記のような企業においてPERの分析は無意味になります。
①新規ビジネス領域にある企業
➁拡大しているビジネス領域を手掛けている企業
③一株当たりの利益の変動が大きい企業

上記の企業は一株利益が大きく変動(急増/急減)する可能性があるとともに、今後数年間の一株利益予想に大きなばらつきが出ます。

それに対し、PERは今期の一株当たり利益で計算されるため将来の一株利益予想を含みません。

このためハイテク企業等では、PERが非常に大きな数字になることがあります。

このように、PERは年毎の一株当たり利益の変動が小さい企業(安定的な事業領域で伝統的なビジネスを手掛けている企業等)の場合には有効ですが、それ以外の企業には無意味です。

PERによる評価が難しい企業は、長期収益予想等で企業価値を分析することになりますが、長期の収益予想自体が困難であるため、ハイリスクな投資と考えられます。(「期待通り」(裏付けを取ることが難しい)に企業が成長した場合にはリターンが大きくなる可能性があります。)

 

佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)
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