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元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.91】
PER100の意味を再考してみませんか?

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資産形成・豆知識91.

PER100の意味を再考してみませんか?

PERは、株価を1株利益で割ったものです(株価÷1株利益)。

株価を評価する指標の1つです。

PER100とは、株価が来期予想1株利益(または当期1株利益)の100倍になっていることです。
(1株利益が一定であれば投資元本を回収するのに100年要する株価という意味です。)

高成長を期待されている銘柄は、このような高PERになることがあります。
(成熟企業であっても、収益が低下した場合には高PERになります。)

では、このような高PER銘柄に対する投資スタンスはどうあるべきでしょうか?

短期売買であれば、需給、ニュース、テクニカル指標等が売買の材料です。
PERは関係ありません。

それでは、長期投資ではどうでしょうか?

将来の1株利益と企業の成長度(成熟度)の見通しがポイントとなります。

下記の例で10年後の株価を考えてみましょう。
・現在の1株利益20円、PER100の企業があるとします。
・この企業は徐々に成長が鈍化し、10年後には、PERが25に低下すると仮定します。
(企業は通常、成長期を経て成熟期にはいり、また、企業規模が大きくなると成長速度は鈍くなります。)

 

この企業の株価は現在2,000(=1株利益20円×PER100)です。

そして、10年後に、この企業の1株利益が4倍の80円になったとします。
すると、この企業の株価は10年後に2,000(=1株利益80円×PER25)になると見込まれます。

現在の株価と10年後の見込株価は同額になります。

この例では、株価の値上がり益がゼロになります。

つまり、高PERに長期投資する際のポイントは
1.投資期間内で、現在の株価に織り込まれている1株利益成長率以上の利益成長が見込めること
2.投資期間内の、企業成長力の低下度が株価に織り込まれている水準より高いこと
(あるいは、将来PERがどの程度維持されるのか)

高PER銘柄に長期投資する際には、この2点を検討することが重要です。

 

佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)
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