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元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム⑩】
値上がり益と配当、どちらを重視すべきか?
第一回

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資産形成・豆知識10.

値上がり益と配当、どちらを重視すべきか?第一回

資産形成(資産を増やす)に、フリーランチはありません。(優遇税制等がある場合を除く)

資産形成の方法には、
●値上がり益(キャピタルゲインといいます)を獲得する
●利子・配当・分配金(インカムゲインといいます)を獲得する
この2つの方法しかありません。能力を高め高所得を得る、という方法もありますが全ての人が勝者になれるわけではありません。(ギャンブルは、レジャーの一種と考えられるため、また、保険は変額年金を除き個人裁量で増減しないので、資産形成に含めません。)

キャピタルゲインは、安く買って、高く売る
インカムゲインは、お金を誰かに融通し、見返り(利子・配当・分配金)を得る、ことです。

キャピタルゲインを獲得するためには、下記の能力が必要と思われます。
●価格判定能力=どの程度の価格水準が安い(あるいは高い)のか、判別(分析)する能力
●現状分析能力=価格を判定する上での前提条件を把握する能力
●将来推計能力=将来価格を推計する上で、合理的と思われる変化を推察する能力

インカムゲインを獲得するには、下記の能力が必要と思われます。
●与信評価能力=借り手の返済能力を判別する能力
●事業評価能力=事業などに融資する場合に、その事業の適合性や実現性を評価する能力

相対的に難易度が高いのは、「キャピタルゲインの獲得」です。金融情報誌や証券アナリストレポート等、参考となる情報は数多く存在するものの、それらの中から有益な情報(正しい情報)を抽出することは非常に困難です。さらに、株式でいえば、銘柄数が多く銘柄選別が大変なだけではなく、中小型株の場合には情報が得にくい場合があります。このようなことから、個人投資家の場合「キャピタルゲインの獲得」のためには、相応の時間と労力が必要と思われます。ただし、個人では難しいと考えた場合には、アクティブ運用投信を購入する方法があります。

「インカムゲインの獲得」は、大手格付け機関(S&P, Moody’s, Fitch, JCR, R&I)が与信評価を独占しているため、「キャピタルゲインの獲得」に比べ、情報の質が担保されています。事業においても、これら機関が事業融資を円滑に進めるために格付けを行っており、個人投資家であってもこれらを利用すれば、投資の際の負担は大幅に減ります。

“投資の際の負担(時間と労力)を減らす”、という観点からの優先順位は、
●利子・配当・分配金を目的とした運用
●アクティブ運用投信の購入
●(個人の運用による)値上がり益を目指した運用
といえます。

しかし、リスク許容度(どの程度の価格変動を受け入れられるのか)、運用目標、目標収益率によって、「値上がり益と配当」の投資配分は変わります。
次回は、これらを考慮した場合、どうなるのか解説します。

 

佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)https://peregrine.co.jp/contact/

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