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◇ペレグリン 社長のコラム◇
第30回【債券投資3つの戦略 ~ その2】

COLUMN
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第30回 
債券投資3つの戦略 ~ その2

前回から、債券投資の3つの戦略についてお伝えしています。

今回お伝えする2つ目は、金利の見通しを利用する、「キャピタルゲイン戦略」です。
債券の価格は、金利の変化を受けて変化していきます。金利はやがて下がっていくだろうと見通しを立てることができた場合、その見通しに沿って、債券価格でリターンの最大化を狙うことができます。
このように、キャピタルゲイン狙いの債券をうまく選ぶ戦略です。

では、債券価格はどんな影響を受けて変動するのでしょうか。まずは冒頭にお伝えした、金利の変動、それに加えて、満期までの長さが関係しています。

答えだけ先に言うと、固定金利が高い債券の価格は変動幅が小さい傾向です。
なぜかというと、定期的に毎年金利収入があるのでリターンの回収を計画的に実現していくことができるからなのです。

極端な例はゼロクーポン債です。
ゼロクーポン債は、償還もしくは売却した時に初めて値上がり益としてリターンが得られます。保有期間中は何のリターンも生みません。その意味では金利の変化に対して最も価格が大きく変化します。
クーポンがまったくつかないので、金利の変化の影響がすべて価格の調整に充てられるため、変動幅が大きくなると言えばイメージしやすいでしょうか。

さらにわかりやすくお話ししますと、よくシーソーの話を例に出すのですが、いわゆるテコの原理です。
期間が短いということは、手前に座っている状態と同じで、手前の人の上下幅は小さいですが、遠くに座っている人のシーソーの上下幅は遠いほどに大きくなりますよね。

このシーソーのイメージと同じく、満期までの期間が長いほど、金利の変化に対する債券価格の変動幅は大きくなります

固定クーポンが高い債券は、金利の変化に対する価格の変化は控えめになるのですが、あえて満期までの期間を長くとることで、その分金利変化に対する価格の変化幅を大きくすることができます。

ということで、将来、金融緩和状態になった時に、残存期間が長いゆえにそれなりの変動が期待できる、つまり上昇の幅もそれなりに期待できるというわけです。
そして、その先は満期までの期間が短い債券や変動金利の債券に切り替えると、その後の金利変化に対する影響を抑えられるというわけです。

金利の変化で利益を取りたいという投資家がいらっしゃるのであれば、ゼロクーポン債が一番適しているということになります。
これが、いわゆる「キャピタルゲイン戦略」ですね。金利リスクに対して最も反応するような種類の債券を選ぶといいと思います。

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付け加えると、債券のリターンとなる利回り部分は、大きく2つの要素に分解できます。
1つはベースとなる金利、基準となる金利変動の影響を受ける部分です。
もう1つは、その債券の発行体の信用度に由来する固有の要素です。市場金利の水準に、各発行体の信用度に応じて追加的に加わる部分です。言い換えますと、その発行体を信用してもらうために上乗せする追加のリターンです。

キャピタルゲインを大きく狙うには、ゼロクーポンの米国債は信用度の点からも適しています。金利収入も得ながらこの企業ならば大丈夫だろうということで利回りアップを狙う社債を選ぶのも有効だと思います。

その際は、繰り返しですが、なるべく固定金利、つまり固定クーポンが低い債券かつ満期が長い債券がキャピタルゲイン戦略には適しています。

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