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元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム㉕】
債券金利が下がると債券価格は上がる。なぜか説明できますか?

COLUMN
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資産形成・豆知識25.

(資産運用をこれから始める時に知っておくべきこと)

債券金利が下がると債券価格は上がる。なぜか説明できますか?

“債券はわかりづらい”、との感想をいただくことがあります。

銀行ローンのケースのように、「高い金利で借りれば返済利息が多くなり、金利が安ければ返済利息が少なくなる。」ということは理解しやすいのですが、これが債券になった時には「金利と債券価格の関係」が理解しがたいものになるようです。

これを整理するには、
「銀行ローン」=「ある一時点の契約」
「債券価格」=「ある一時点の契約」の時価、
と考えると良いかと思います。

債券とは、お金を借りたときの借用書(どのようにお金を返すのかを示した契約書)です。
例えば、5年満期、利息年5%、満期時元本返済の例を考えてみましょう。

投資家Bは、企業Aから債券(借用書)を受け取り、100万円を貸しました。この借用書を転売する場合の価格が債券価格になります。

毎年の利息5万円と満期時返済の100万円は確定(固定)です。
あなたは、この債券をいくらで売りますか?貸した金額100万円ですか?

この債券価格を決めるために必要な情報は、「企業Aの格付け」と「市場金利」です。

もし、「企業Aの格付け」が非常に悪くなり、また、「市場金利」が高くなった場合には、10%の利回りでなければ買わないという人しかいないかもしれません。
とはいっても、債券の利息年5万円と元本100万円は固定です。
そのために、債券価格で調整することになります。
この場合の債券価格は81くらいになります(複利で計算しています。)。
債券売買価格・・・・81万円
債券保有者の受取金額・・・・125万円(=年5万円の利息×5年+元本100万円)
(125万円/81万円-1)÷5年=10.8% (複利で計算すると10%になります。)

逆に、もし、「企業Aの格付け」が非常によくなり、また、「市場金利」が低くなっている場合には、0%の利回りでも買いたいという人がいるかもしれません(説明のために、極端な例を挙げます。)
この場合の債券価格は125になります。
債券売買価格・・・・125万円
債券保有者の受取金額・・・・125万円(=年5万円の利息×5年+元本100万円)
(125万円/125万円-1)÷5年=0% 

債券は、利息(クーポン)と元本が固定されているため、その時価を決めるためには「企業格付け」と「市場金利」が必須になります(このほか「償還までの期間」が必要ですが、ここでは簡便化するために省略しております。)。

この結果として、
金利上昇=受取利息が足りないため、債券価格を安くし過少分を補う→債券価格を下げる、
金利低下=受取利息が多すぎるため、債券価格を高くし超過分を取り戻す→債券価格を上げる、
ということになります。

佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)
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