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元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.67】
インフレになり難いのはなぜなのか?

COLUMN
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資産形成・豆知識67.

インフレになり難いのはなぜなのか?

各国政府は新型コロナ対策で、未曽有の財政支出を強いられています。
日本でいえば、「持続化給付金」、「休業支援金・給付金」等、数多くの財政支出が行われています。
これらの財政支出を行うために、紙幣が大量に発行されています。
2020年1月末に109兆円であった日銀発行紙幣は、2020年9月末には113.5兆円に増えています。
また、日銀は株式ETF、債券、不動産投資信託を金融市場から購入し、市中にお金を供給しています。
日銀が購入した有価証券購入代金の一部は日銀の当座預金に還流しており、この結果、2020年1月末に403兆円であった日銀の当座預金残高は、2020年9月末では487兆円に増えています。
これはインフレになりやすい環境といえます。

では、これからインフレになるのでしょうか?
お金は経済の血液のようなもので、量が増えるだけではインフレになるとは言えません。
血液循環が悪くなると身体に悪影響が出るように、お金の巡り(流通速度)が悪いと経済活動が低迷し、インフレになる可能性は低くなります。
銀行金利はほぼゼロであるため、増えた紙幣の行き場が見つかり難く(お金がジャブジャブの状態)、お金は株式に向かいがちです(これが株価上昇の一因です)。

お金は、実体経済の中で十分に回っていないのかもしれません。
新たに発行された紙幣を倉庫に積み上げても経済への影響はゼロです。
新たに発行された紙幣が実体経済の中で活発に流れることが必要なのです。
つまり、お金が回る=経済が活性化→インフレになる可能性が高まる、ということです。
現在は、このような状況にない、ということかもしれません。
(注)このほかにも、インフレになり難い要因は複数あります。

 

佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)
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