NEWS RELEASEニュースリリース

元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.88】
価格と価値の違い

COLUMN
4225329_s

資産形成・豆知識88.

価格と価値の違い

「実体経済と株価が乖離している」というようなコメントを新聞・雑誌等で見かけることがあります。

そのような気にもなりますが、そもそも、実体経済と株価は連動するのでしょうか?

このことを考えるにあたり、初めに「株価」とは何かを考える必要があります。

株価とは「株式の価格」であり、「株式(企業)の価値」ではありません。

極論(思い切り単純化)すると、
「株式の価格(株価)」=「現在の株式(企業)の価値」+期待値、と考えられます。
(期待値がプラスであればプレミアム、マイナスであればディスカウントです。)

「実体経済と株価が乖離している」とは、「実体経済」と「株式の価格」の乖離であると思われます。

つまり、実体経済≒「現在の株式(企業)の価値」であるものの、期待値のプレミアムまたはディスカウント幅によって実体経済と「株式の価格(株価)」の乖離は生じると考えることができます。

2020年12月現在でいうと、金融政策(量的緩和、低金利)そして財政対策によって、株価に大きなプレミアムが付きやすい環境にあると考えられます。

では、適正なプレミアムはいくらでしょうか?

現状における適正プレミアム推計は不可能です。

超強力な量的緩和、低金利(ゼロまたはマイナス金利)そして莫大な財政政策。
このような組み合わせは未曽有であるため、適正なプレミアム水準はわかりません。

通常、現在の「現在の株式(企業)の価値」は大きく変化しません。

しかし、期待値は容易に増減し、現在の環境下では、株価は期待値の増減により大きく変動し易くなっていると思われます。

換言すれば、「実体経済と株価が乖離している」は普通のことのようにも思えます。

 

佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)
https://peregrine.co.jp/contact/

ニュース一覧に戻る