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元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.178】
物価上昇は半年後?

COLUMN
178

資産形成・豆知識178.

物価上昇は半年後?

2022年になり、インフレや物価上昇に関するニュースや記事が増えてきたように思います。

日本でも、急激なインフレや物価上昇への懸念が高まっているように思います。
ただし、政府サイドは、「日本のインフレや物価上昇は諸外国に比べマイルドである」との認識のようです。

しかし、物価情報は今後も続く可能性が高いように思います。

例えば、小麦粉は、小麦取引価格や為替等の市場取引価格から半年ほど遅れて日本の小麦粉販売価格に反映される仕組みになっています。

約90%の小麦は日本政府が海外から買い付けています。

日本政府が買い付けた小麦は、製粉業者に売り渡され、製粉業者は製粉した小麦粉を食品メーカー等に販売し、食品メーカー等が加工し小売業等に販売します。

日本政府が4月から9月に買い付けた小麦は、この6か月間の買い付け価格等をもとに10月に製粉業者に売り渡されます。

製粉業者は10月の売り渡し価格と製粉コスト等をもとに、12・1月に食品メーカー等への販売価格を決めます。


(出所:小麦・小麦粉の価格のしくみ(日清製粉グループ))

https://www.nisshin.com/entertainment/encyclopedia/flour/flour_04.html

ロシアのウクライナ侵攻後(2022年2月)以降、小麦価格は大幅上昇し、また、石油価格の上昇、円安の進行などにより電気料金は上昇しています。

7,8,9月に、小麦価格、石油価格、為替レートが落ち着く可能性はあります。

しかし、対前年比で4,5,6月の小麦買い付け価格、製粉コスト(電力価格)等は上昇しており、また、この間に円安も進行していることから、年末にかけて小麦関連食品の価格は上昇する可能性が高いように思われます。

小麦取引価格、石油取引価格等が落ち着いたとしても、日本の国内価格が落ち着くのは半年後以降になると見込まれます。

このように小麦価格の物価への影響は約半年後ズレしますので、物価上昇やインフレに関する判断も同様に後ズレする可能性があります。

佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)

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