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元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.195】
公的年金は、物価上昇に強い?

COLUMN
195

資産形成・豆知識195.

公的年金は、物価上昇に強い?

日本の公的年金は物価にスライドして増減します。

また、物価上昇とともに現役世代の給与が増えるならば、現役世代の年金掛金は増えます。

このようなことから、賦課方式(主として、現役世代の年金掛金を年金受給者の給付に充てる方式)である日本の公的年金は、物価上昇時に年金給付額が増えます。

つまり、日本の公的年金は物価上昇に強いと考えられます。

しかし少子化になると、この物価上昇に強いという特徴は打ち消されます。

年金給付は現役世代の年金掛金を主な給付原資にしているため、現役世代の人数が減ると、給与が増えても年金掛金の総額は増えません。

10%の物価上昇により(給与も10%上昇と仮定した場合)、年金額も10%上昇すると期待されます。しかし、現役世代が10%減少(年金掛金を支払う人の数が10%減少)すると、年金給付の原資総額が変わらないため、実際の年金額は変化しない可能性が高くなります。

実際のところ、2019年の厚生労働省の年金財政検証では、物価上昇に従い年金給付額は増えると見込まれています。
(2019年財政検証結果のポイント https://www.mhlw.go.jp/content/000540198.pdf

しかし、人口減少により将来の年金給付額の価値は、現在より少なくなると見込まれています。
(現在は、平均所得の62%程度の年金給付額ですが、2047年には2047年の平均所得の52%程度の年金給付額に低下すると推計されています。)

つまり、2047年には、年金生活の質を現在と同等に保つことは難しくなる可能性があります。

2047年に、年金生活の質を現在と同等に保つことを目指すのであれば、資産を増やしておくのが望ましいということになります。

 

2047年に、年金生活の質を現在と同等に保つことを目指すのであれば、支給予測年金額の19%程度(62%(現在)÷52%(2047年の予測)=1.19)が毎年必要となります。
(例えば、2047年に毎月30万円の年金受取りを開始する人が25年生存すると仮定すれば、30万円(毎月の年金額)×12カ月×25年×20%=1,800万円、を準備しておくことが望ましいことになります。)

佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)

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