元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.194】
保険はインフレに弱い?
COLUMN
資産形成・豆知識194.
保険はインフレに弱い?
生命保険は「万が一の場合に備える」という機能を持ちます。
ところで、「万が一」のことが起きるのは、通常、数年後、あるいは数十年後です。
そして、保険金額は、通常、契約時に固定されます。
このような保険の特徴を考えると、保険はインフレに弱いと考えられます。
例えば、現在契約した保険金額が100万円であるとします。
保険金額を受け取るのが20年後だと仮定すると、20年後の100万円の金銭価値が現在と同じ価値を持つとはいえません。
20年間デフレ、あるいは、20年後の物価が下落していれば、100万円の価値は現在よりも高くなります。
しかし、20年間インフレ、あるいは、20年後の物価が上昇していれば、100万円の価値は現在より低くなります。(100万円で購入できるものが少なくなります。すなわち、100万円では不足になります。)
このようなことから、インフレの可能性が高いと感じるときには、保険よりもインフレに強い実物資産(例えば、不動産、ゴールド、良質な資産を持つ会社の株等)の保有を多めにすることが望ましいと考えられます。
とはいえ、インフレになるのか、それともデフレになるのか、将来のことは誰にもわかりません。
このようなことから、保険の増額を検討する場合には、経済情勢を踏まえ、保険を増やすべきなのか、それとも他の資産を増やすべきなのか、ポートフォリオのバランスを考えることが望ましいと思います。
佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)