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元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム㉓】
投資信託の運用報酬は高い/公正/安い?(第一回)

COLUMN
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資産形成・豆知識23.
(資産運用をこれから始める時に知っておくべきこと)

投資信託の運用報酬は高い/公正/安い?(第一回)

投資信託の運用報酬は、「安いほうが良い」「長期で運用するのであるからコスト負担が低いほうが良い」と解説されることが多いかと思います。

この議論に入る前に、投資信託の運用手法について解説します。

投資信託は、「アクティブ運用」と「パッシブ運用」に大別されます。
「アクティブ運用」は、運用会社が多くの個別銘柄を調査し、その中から魅力的な銘柄、業種、投資する金額を決める投資します。このため、調査・分析のための人員及び費用が必要となります。
それに対し、「パッシブ運用」は、あらかじめ特定のインデックスを運用の目安とし、インデックスに追随することを目的としており、調査・分析の費用が必要ありません。

自社(運用会社)の運用手法の特徴を生かしベンチマークに勝つことを目的にしているのが「アクティブ運用」、ベンチマークに追随することを目的とするのが「パッシブ運用」です。

その目的が異なることから、比較のポイントは運用報酬ではなく、「アクティブ運用」が「パッシブ運用」の運用成績を上回っているか否かになります。(投資信託の基準価格に運用報酬は反映されています。運用報酬は日割り計算で、投資信託財産から日々徴収されています。)
よって、運用会社の運用能力がわからず(または、自分で運用会社を調査する時間がなく)、運用手法(運用スタイル)が良く理解できない時には、一番運用報酬が安い「パッシブ運用」が選択肢になります。

それに対し、運用会社の運用能力や運用手法を評価・理解し、「パッシブ運用」を上回る成績をあげる可能性がある「アクティブ運用」を見つけられれば、「アクティブ運用」を選択することもあるでしょう。

なお、成長企業や中小型企業への投資を検討している場合には、これらの市場の動きを反映するインデックスを見つけ出すことが難しいため、「アクティブ運用」を検討したほうが良いかもしれません。
また、成熟企業が多くない新興国のインデックスの場合に見られる傾向として、「アクティブ運用」と「パッシブ運用」の成績差が大きくなることがあります。(「アクティブ運用」と「パッシブ運用」の投資先銘柄に大きな差が生じやすい。運用能力が高い運用会社であれば、パッシブ運用を上回る成績を上げやすいといえます。)

要するに、高い運用能力を持つアクティブ運用会社の存在、または、インデックスを上回る運用成績の得られやすい市場であるならば「アクティブ運用」が優位になるため、一概に、運用報酬が安い「パッシブ運用」が望ましいとは言えません。
また、「パッシブ運用」は、インデックスを構成しているというだけで、企業業績が振るわない企業の株式であっても機械的に購入するため、市場の価格調整機能を歪める可能性があります。
言い換えれば、パッシブ運用は割高になっている銘柄であっても機械的に買います。

投資信託選定の際には、インデックス毎に「アクティブ運用」と「パッシブ運用」を使い分け、また、運用能力が高いと思われる運用会社を探すのも楽しいかと思います。

佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)

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