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◇ペレグリン 社長のコラム◇
第17回【為替変動リスクの考え方】

COLUMN
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第17回
為替変動リスクの考え方

前回、為替レートとインフレ率との関連をお話ししましたが、アメリカではインフレ率の上昇に伴って労働者のサラリー、平均的な賃金水準も上がってきています。

これまではアメリカの物価上昇への警戒感に注目が集まってきましたが、今後ようやく上昇が落ち着きを見せ始めるとした場合、逆に今度は日本の物価上昇が進むとすれば、円安の材料としてとらえられる可能性もありますね。

ということで、円安と円高では常に両方の材料が存在して綱引きになるのですが、来年以降も日本の構造的な問題がより意識されていくと考えられます。
どういうことかと言いますと、さきほど申し上げたように、日本全体の貿易黒字が縮小するとか、日本の企業が海外での売り上げを縮小させるとか、為替取引のボリュームが小さくなる可能性に加えて、人口減少、少子高齢化といった事情や、日本の財政問題なども含まれます。

以前のように、例えばリスク回避的に安全通貨として円が買われる展開は、最近あまり聞かれなくなりました。ロシアとウクライナの戦争のニュースが伝わった時も含めて、特段影響はありませんでした。
そういう意味では、短期的要因も含めて、円買いに振れる力が以前より弱くなってる可能性はあります

現状の為替の状況を日本から見ると、円高に振れるリスクを考えることが多いと思いますが、むしろ私は、円安に進んでいくリスクをもう少し意識しておいた方が良いと思っています。

具体的に申し上げますと、円高が進むにはある程度限界があります。例えば1米ドルが100円になったら、ものすごい円高だという印象を持つ方が多いと思います。
ところが理屈で言うと、為替取引は信任あるお金の交換なので、為替レートがゼロになることは想定していません。150円が100円になったとしても約35%目減りしたことと同じです。

しかし、極端な話ですが、円安に進む場合は数字上は青天井です。
そういう意味では、円高のリスクと同じく円安のリスクも考える必要があります
為替レートは先々どちらに触れるか分かりませんし、ある程度長い時間で見ればどちらにも振れるでしょう。

そう考えると、為替レートの見通しに関してはいろいろ意見がありますけれども、資産分散としてドルを持っておく必要性も出てくるのではないでしょうか。

また、通貨の価値の状態を考えれば、仮に円の価値が下がる時は、私たちの生活水準や経済環境が今より落ち込んでいる状況と考えられますので、その際の保険としてドルを保有するという考え方もできます。さらに、ドル資産は円資産で運用するよりも高いリターンが得られる場合もありますので、将来に向けてドル資産を持つ意味は十分ありそうです。

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しかし、やはりどうしても私たちは日本人は、為替レートの変動を気にしてしまうと思います。
そこで発想を変えて、ドルを生涯持つという前提で考えてみてはいかがでしょうか。つまり、投資ではなく資産として持つと、ドルを相続することもできます

私自身セミナーなどでよく言うのですが、円資産にかける保険としてドルを持ちながら、そのドルを運用してさらに資産を増やしていく。具体的には、円安が不意に進行してしまう状況に対する保険をかけながらその間に運用ができてしまう、ということです。

円の価値に万一が起こるかもしれない備えとして、ドル資産の保有を考えていただければよいと思います。

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