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◇ペレグリン 社長のコラム◇
第27回【ハイブリット債券の注意点】

COLUMN
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第27回
ハイブリット債券の注意点

少し前まで、いわゆるハイブリッド債という名の債券がよく取引されていました。
近年の金利上昇によって、一般社債でも良い条件で取引できるようになりましたので、あえてハイブリッド債の購入を検討する方は減ってきているかもしれませんが、もちろん今も取引はできますので、注意点をお伝えします。

ハイブリッド債で注意していただきたいのは、普通社債と比べて価格の変動が分かりにくい点にあります。例えば、金利の動きに対して理屈通りの価格の変動になりにくい場合があることに注意が必要です。

と言いますのも、債券は満期とクーポンがあらかじめ固定的に決まっているからこそ、債券の価格がリターンの合計の割引現在価値として計算できます
ところが、ハイブリッド債、例えば永久劣後債ですが、そもそも満期がありません。実際には早期償還条項がついているケースが大半ですが、永久劣後債などは最初の早期償還判定日や基準日を仮の満期日として、価格や利回りが計算されています。

しかし、償還されずに早期償還日をスキップする事例も、少ないですが出始めています。
ですから、早期償還が行われる可能性を価格に含まなければならず、その適正価格が不明瞭ということで、債券価格の変動にマイナスの影響を及ぼすことがあるのです。

早期償還しなければ、その後は変動金利に移行するケースが多いのですが、継続保有すればそれなりの利回りは得られますが、価格の基準の要素である償還日が不確定、つまり正確な残存期間がわからないことになり、また、早期償還されなかった理由や背景が悪材料とされることがあることも相まって、その債券の適正価格が分からないという状況が続きます。
そうなると、売るに売れないという状況に陥ってしまうことも、可能性の範囲ではありますがあります。
そこは慎重に考えた方がいいと思います。

基本的には、投資家目線もしくは発行体目線からは、早期償還するだろうという前提のもとで価格が付けられるのですが、その債券に含まれる不確定要素は明確に評価しづらいことはぜひ知っておいていただきたいです。

他にも、AT1債では、元本が欠損したり株式に転換したりする条件が不明瞭である点にも注意が必要です。実質的な破綻時という表現ですが、本当の破綻とは違って、実質的な破綻はどのような場合なのか、判定や解釈が明確にできないものという点は知っておいてください。

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