元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム㉗】
ゼロ金利の債券に投資する意味はあるのか?
COLUMN
資産形成・豆知識27.
(資産運用をこれから始める時に知っておくべきこと)
ゼロ金利の債券に投資する意味はあるのか?
個人債券投資家にとっては、ゼロ金利への債券は、収益ゼロを意味します。
しかし、債券ファンドマネージャーにとっては、必ずしも収益ゼロを意味しません。
前回のコラムで個人債券投資家と債券ファンドマネージャーの運用方法が異なることを説明しました通り、ゼロ金利の債券でも収益機会はあります。
下記は、楽天証券のファンドスコア5の、あるアクティブ国内債券投資信託の運用実績です。
1年の収益率(上表の青わく内)を見ると楽天証券分類平均を1%超上回っています。
しかも円債券はマイナス金利であるにもかかわらず、プラスの収益です。
これは、当該債券ファンドマネージャーの運用能力が優れていたことを示しています。
ただし、アクティブ運用のためトラッキング・エラー(上表の赤わく内。ベンチマークとの乖離を表します。ゼロであれば、ベンチマークに100%追随した運用になります。)は大きくなります。
上記の例ですと、ベンチマークの収益率に対し、年±0.30%程度乖離することを意味します。
低金利下で債券投資を検討する場合には、下記のリスクを比較することが望ましいと思います。
①債券アクティブマネージャーの運用リスク(トラッキング・エラー・リスク)
➁低格付け、長期債券、特殊債券に投資するリスク
リターンはリスクの見返りです。
期待している収益に対し、どの程度のリスクを引き受けることが適切なのか考えてみてはいかがでしょうか?
投資家が回避しなければいけないのは、「高リスク、低リターン」の金融商品への投資です。
佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)
https://peregrine.co.jp/contact/