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元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.59】
リスクプレミアム(リスク負担金)は消えたのか?

COLUMN
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資産形成・豆知識59.

リスクプレミアム(リスク負担金)は消えたのか?

ゼロ金利の時に、国債利回り対比で、リスクを計測するのは適切でしょうか?

いろいろな金融商品がありますが、リスクが高いとみなされた金融商品には、通常、投資家が買いやすくなるようにリスクプレミアム(リスク負担金)が付きます。

誰かが付与しているわけではなく、市場参加者の合意でリスクプレミアムが形成されます。

例えば、通常、株式は国債に比べて価格変動性が大きいため、国債利回りに比べ相対的に高い益利回りで投資魅力度を高めています。これが株式リスクプレミアムです。

株式リスクプレミアムは、(株式益利回り)-(国債利回り)、で表されます。

株式益利回りは、一株利益÷株価、です。(株価収益率(=PER)の逆数)

また、途中売却ができない債券であれば、通常の債券に比べ高い利回りが必要になります。
(途中売却できないリスクを投資家が負うことになるため、流動性プレミアムをリスクプレミアムとして付ける必要があります。)

しかし、日本ではデフレ対策や、新型コロナによる経済失速を回避するためにゼロ金利を長期的に維持することを政策としています。
このため、リスクプレミアムという考え方が機能しなくなったように思われます。

例えば、国債利回りが3%で株式益利回りが7%であれば、株式リスクプレミアムは4%です。

しかし、株式リスクプレミアムが同じ4%で国債利回りがマイナス1%であるとすると、株式益利回りは3%になります。すると、株式のPER(株価収益率)は33.3%になります。
(PER=33.3を許容できますか?)

ゼロ金利あるいはマイナス金利の時に、リスクプレミアムを語るのは危険です。

 

佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)
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