元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.62】
年金不安の原因は何なのか?
資産形成・豆知識62.
年金不安の原因は何なのか?
新聞や雑誌等で、年金不安の記事をよく見かけます。
年金不安は、なぜ起きるのでしょうか?
年金運用が低迷しているせいでしょうか?
年金運用は多少の影響を及ぼしますが、第一の原因ではありません。
2大要因は、「少子化」と「給与所得の減少」です。
日本の年金制度は賦課方式です。
現役世代の年金掛金を、年金受給者の年金給付に充てる方式です。
平成29年度の公的年金の財政状況を図示すると下記の通りとなります。
上図を見てわかる通り、年金給付金の70%以上は現役世代の年金掛金で賄われています。
【上図で年金給付額が不足した場合には年金積立金を取り崩し、年金給付に充てられます(年金積立金は金融市場で運用されています。)】
つまり、現役世代の年金掛金が少なくなると年金給付を減らさざるを得なくなります。
(国庫負担や年金掛金を引き上げて年金給付額を維持することも可能ですが、現行の負担や掛金率は法律で定められています。)
現役世代の年金掛金額が少なくなる2大要因は下記になります。
①少子化(=勤労者の減少)
➁現役世代の所得減少(厚生年金掛金は、所得の18.3%(労使折半。雇用者は給与から9.15%天引きされています。)であるため、所得が減ると年金掛金が減少します。)
現行の年金給付額維持には、現役世代(年金掛金を納付する勤労者数)と年金給付世代(年金受給シニア)のバランス管理が、最も有効な方法なのです。
個人でこれらを管理することはできませんが、このバランス状況を推察することはできます。
バランスが悪いほうに崩れていると思われる場合には、資産形成が必要になります。
佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)
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