元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.90】
日銀の株式売却状況を把握する方法
COLUMN

資産形成・豆知識90.
日銀の株式売却状況を把握する方法
気になる人は、日銀の「金銭の信託」の保有残高をモニタリングしましょう
雑誌や新聞等で日銀保有株の記事を見かけることがあります。
「いつ、日銀が保有株を売るのか」という懸念が背景にあります。
日銀が筆頭株主になっている大手企業も多くあります。
しかし、日銀が保有しているのは「指数連動型上場投資信託受益権」であり、個別株ではありません(株式の約98%は、「指数連動型上場投資信託受益権」での保有です。)。
このため、日銀が個別に保有株を売ることは難しいと思われます。
運用方針を「指数連動型」としている投資信託であることから、一部の個別株を切り出し売却した瞬間に、投信の運用方針に反することになります。
よって、この投資信託から個別銘柄を切り出して売却することはできません。
ただし、全ての投信受益権保有者から、「運用方針の変更に関する同意」を取り付けた場合には、個別銘柄の売却が可能です。
しかし、これには、とてつもない労力と時間が必要になるため現実的ではありません。
このことから日銀の株式売却状況を把握することは、それほど難しくありません。
日銀の営業旬報報告の「金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)」の保有残高の増減をモニタリングするだけで概ね把握できます。
(https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2020/index.htm/)
佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)
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