元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.102】
リスク管理と損失許容額
資産形成・豆知識102.
リスク管理と損失許容額
資産運用において、リスク管理が重要といわれています。
プロの投資家であれば、標準偏差、相関係数、要因分析、シナリオ分析等でリスク管理を行っています。
一般投資家がこのようなリスク管理を行うことができるでしょうか?
とても困難です。
とはいえ、リスク管理なしに資産運用を行うことは無謀であるようと思います。
では、どのような手法でリスク管理ができるのでしょうか?
一般的なリスク管理は難しいのですが、損失許容額の管理であれば、一般投資家にも比較的容易に実行可能と思います。
投資は「儲かる」ことを前提に行うため損失可能性について想像したくないものです。しかし、できるだけ客観的に、自分のアイデアが誤りであった時の最大損失額(評価損失額)と損失許容額を考えて投資することがリスク管理の代替になると思います。
例えば、投資を検討している株式3銘柄があるとします。
それぞれの価格変動は異なっており、上昇予想幅と下落予想幅が次の表の通りとします。
(上昇、下落幅は定性判断で決めるため現実の値動きとは異なります。)
銘柄 |
上昇予想幅 |
下落予想幅 |
株式 A |
+200% |
-50% |
株式 B |
+100% |
-30% |
株式 C |
+30% |
-10% |
あなたは300万円を投資しようと考えています。
「株式 A」に300万円投資すれば、最大損失額(評価損失額)は150万円です。
「株式 A」に150万円、「株式 B」に150万円投資すれば、最大損失額(評価損失額)は120万円。
「株式 A」、「株式 B」、「株式 C」に100万円ずつ投資すれば、最大損失額(評価損失額)は90万円。
「株式 C」に300万円投資すれば、最大損失額(評価損失額)は30万円。
このように、「株式 A,B,C」の投資配分に応じ最大損失額(評価損失額)は変わります。
つまり、自分の損失許容額に応じて「株式 A,B,C」の投資配分を決めることが考えられます。
投資で「絶対儲かる」ということはありませんので、あらかじめ、損失許容額を考え投資に臨むことが望ましいように思います。
佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)
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