元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.122】
平均寿命、平均余命、健康寿命
資産形成・豆知識122.
平均寿命、平均余命、健康寿命
退職後の生活設計を考え始めている方も多いかと思います。
退職後の生活をイメージするのは大変です。
しかし、生活設計にあたっては「平均寿命」にとらわれすぎないことが大切です。
何故か?
それは、「平均寿命」とはゼロ歳児が平均的に何年生存するかということだからです。
それに対し、ある年齢まで生存した人が、平均的にあと何年生存するのかを示すのが「平均余命」です。
つまり、「平均余命」が現在のあなたにとって、より現実的な寿命と考えられます。
例えば、令和2年(2020年)の平均寿命は男81.64歳、女87.74歳です。
しかし、もし、あなたが60歳であるならば、60歳の平均余命は、男24.21年(平均84.21歳まで生存)、女29.46年(平均89.46歳まで生存)です。
そして、ほぼ平均寿命まで生存した人のおおよその平均余命は男8年(平均89歳まで生存)、女7年(平均95歳まで生存)です。
(出所:厚生労働省「令和2年簡易生命表の概要」)
つまり、自分は平均寿命まで生存するであろうと考え退職後の生活設計した場合、思いがけず資金不足になる可能性があるということです。
なぜ、このような年齢差が起きるのでしょう?
平均寿命は亡くなった方のデータを含みますが、平均余命は生存者のみのデータです。
そのため平均余命で考えると、平均生存年数は平均寿命より長くなります。
それゆえ、自分の年齢とその年齢時の平均余命を考え、退職後の生活設計をすることが望ましいことになります。
そして「健康寿命」も重要な要素です。
健康寿命とは、「日常生活に制限のない期間の平均」と定義されています。
男73歳、女76歳程度と考えられています(生活地域により差があります。)。
この年齢を超えると、通院回数が増加(医療費が増加)、あるいは、介護施設の利用等を検討する必要が出てくるかもしれません。
今後も長寿化が進むと考えるのであれば、加齢によって発生する可能性がある費用を想定しておくことが必要かもしれません。
佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)