元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.140】
利回り比較
資産形成・豆知識140.
利回り比較
株式、不動産、債券、異なる資産を比較するのは簡単ではありません。
成長期待、キャピタル・ゲイン(価格上昇益)期待、インカム・ゲイン(利息・配当益)期待、価格安定期待、等、それぞれの金融商品に期待する役割は異なります。
これらの中で、株、不動産、債券において比較可能なものはキャピタル・ゲインとインカム・ゲインです。
キャピタル・ゲインの視点であれば、経済環境の見極めがポイントになります。
好況/不況、インフレ/デフレ、金融緩和(金利引き下げ)/金融引き締め(金利引き上げ)等が投資判断の材料になります。
経済環境を見極めたうえで、それぞれの資産の価格上昇可能性を比較します。
これに対し、インカム・ゲインの視点であれば、益利回り、リート分配金利回り、債券利回りが投資判断の材料になります。
益利回りは、株式投資での利回りです。企業の一株当たりの利回りになります。PER(株価収益率=株価÷一株利益)の逆数です。PER=15であれば、益利回りは約6.7%です。(注)配当利回りは、通常、一株利益のうちから配当された金額÷株価であるため、益利回りより低くなります。
リート分配金利回りは、賃料収入等から得た収益を投資家に分配します。3.6%程度の利回りです。(2021年11月末現在)
そして、債券利回りは債券から得られる利息です。日本の10年国債は0.05%程度です。(2021年11月末現在)
現時点における利回り比較では、株式に魅力があるように思えます。
しかし、それぞれにメリット・デメリットがあります。
株式は株価変動性が大きい、企業業績は変化しやすい、などのデメリットがあります。
リートは不動産価格の下落やテナントの撤退(空室率の上昇)などのデメリットがあります。
債券は利回りが低いものの、価格変動性が低い、元本保証の可能性が高い、等のメリットがあります。
長期の資産成長を目指すのであれば、それぞれの金融商品のメリット・デメリットを検討し、いろいろな投資視点を加えポートフォリオをつくることが望ましいと思います。
佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)