元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.165】
家計の金融資産は2,000兆円
資産形成・豆知識165.
家計の金融資産は2,000兆円
日銀が2022年3月17日に発表した2021年10~12月期の資金循環統計(速報)によると、家計が保有する金融資産の残高は21年末時点で2023兆円となり、前年末に比べて4.5%増えたそうです。比較可能な05年以降で最高となり、初めて2千兆円を突破したとのことです
(出所:日本銀行 資金循環統計 https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf)
家計金融資産の内訳は、現金・預金が3.3%増の1092兆円。株式などは15.5%増の212兆円、投資信託も20.4%増の94兆円に伸びたとのことです。
日本の人口約1.2億人で割ると、一人当たり約1,670万円です。
ご自身の金融資産と比較し、いかがでしょうか?
違和感を抱く人もいるかと思います。
違和感の原因は格差があるからです。
富裕層の人たちが平均を押し上げています。
(日本は、米国ほど格差が大きくありませんが、格差はあります。)
2019年の野村総研の日本の富裕層の研究では、3,000万円以上の金融資産を持つ世帯が全世帯の約22%を占め、金融資産3,000万円以上の世帯が全金融資産の58%を保有しています。
(これらの世帯の株式保有割合は高いと見込まれますので、2021年末での割合は上昇していると推測されます。)
(参考:野村総研 富裕層の研究(2019年) https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2020/201221_1.pdf)
別の言い方をすれば、金融資産が3,000万円未満の世帯は全世帯の約78%で、全金融資産の42%を保有しているということです。
世帯人数が同一であると仮定すると、金融資産が2,000兆円の場合、
金融資産3,000万円以上の世帯の人の平均金融資産は約4,390万円
金融資産3,000万円未満の世帯の人の平均金融資産は約900万円、と推計できます。
平均だけではわかりづらいことも区分で考えることでイメージしやすくなることがあります。
なお、野村総研の調査に基づくと、金融資産5億円以上を保有している世帯は全世帯の約0.16%を占め、全金融資産の約6.2%を保有しているので、金融資産5億円以上の世帯の人の平均金融資産は約6.5億円、と推計できます。
佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)