元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.176】
「資産所得倍増」とは?
COLUMN
資産形成・豆知識176.
「資産所得倍増」とは?
2022年6月、政府は「資産所得倍増計画」を発表しました。
資産所得とは、個人が持っている資産から得られる所得のことであり、利子、配当、賃貸料収入などのことです。
よって、資産所得を増やすには下記の2つの方法が考えられます。
1.資産を増やす
2.リターンが低いと思われる資産を、リターンが高いと思われる資産に移す
(保有資産の価格変動リスクを高める、ということです。)
1の「資産を増やす」政策は、既にイデコ(個人型確定拠出年金)とニーサ(少額投資非課税制度)があります。これらを拡充することにより、国民の資産を増やすことが可能です。
しかし、この制度の拡充は税収を減少させるため、資産を急速かつ大幅に増やすことは簡単ではなさそうです。
2の「資産の価格変動リスクを高める」は、資産所得を増やすことになると思われますが、同時に、資産価格は大きく変動することになります。
資産価格は上昇することもありますが、下落することもあります。
新聞などでは、「個人金融資産2,000兆円の約半分が、(ゼロ金利政策のため)大きな所得を生みださない預貯金であることから、この資産の一部を株式や投資信託等のリターンが高いと思われる資産に移すことを念頭に置いていると思われる」と解説されています。
しかし、「資産所得は増えるのであれば、資産価格が下落したとしても差し支えない」と考える人を増やすことは簡単ではないと思います。
人々のマインドを変えることは容易ではないと思います。
では、この目的の実現を目指すためには、どのような政策が有効なのでしょうか?
具体策が待たれるところです。
佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)