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元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム.190】
株価上昇には経済成長(GDP上昇)が必要なのか?

COLUMN
190

資産形成・豆知識190.

株価上昇には経済成長(GDP上昇)が必要なのか?

「株価上昇には、経済成長が必要である」との論評を見かけます。

「経済成長に応じ、株価は上昇する」という意味ですが、本当でしょうか?

実は、リーマンショック以降、この分析は無意味になっています。

アメリカの著名投資家ウォーレン・バフェットの名を冠したバフェット指標(バフェット指数)というものがあります。

バフェット指標(バフェット指数)=株式市場の時価総額÷名目GDP×100、で計算された数字です。

もし、株式市場がGDPに応じて成長しているのであれば、バフェット指標は100近辺で推移するはずです。

下記グラフは、S&P500 との比較です。

(出所:株式マーケットデータhttps://stock-marketdata.com/buffet-indicator.html

2020年頃には、バフェット指標が200にまで急上昇しています。

このグラフから読み取れることは、2010年以降、S&P500時価総額の上昇率が名目GDPを大きく上回っている、ということです。

つまり、GDP以外の要因が大きく株価上昇に寄与していることになります。

何が、株価上昇をもたらしているのでしょうか?

財政政策、金融政策、生産性向上、効率的経営等、いろいろな要因が考えられます。

財政政策(政府支出)はGDPに反映されている可能性があります。

生産性向上や効率的経営で企業価値を継続的に上げている可能性はありますが、毎年継続的に5-10%引き上げることは難しいのではないかと思います。

すると、金融政策(金利引き下げや量的緩和)の寄与が大きい可能性があります。

低金利により企業の利息支払い額は減ります。

また、低金利で調達した資金で事業拡大につなげているのかもしれません。
例えば、2%で調達した資金で事業を拡大し、5%の収益を上げることがあり得ます。

金融政策が株価に及ぼす影響を過小評価すべきでないと思います。

佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)

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