元ファンドマネジャー【IFA佐々木のコラム➁】
あなたの金融資産、どんなリスクがあるのかご存じですか?
リスクのない金融商品(現金や預金を含む)はありません!!第一回
資産形成・豆知識2.
あなたの金融資産、どんなリスクがあるのかご存じですか?
リスクのない金融商品(現金や預金を含む)はありません!!第一回
今回からは、3回シリーズでリスクに関して解説したいと思います。
表題タイトルを読んだ人からは、「現金や預金は安全」との反論を受けるかもしれません。しかし、真の意味での安全資産は存在しません。国債は相対的に低リスクのため、便宜的に安全資産と呼ばれることがありますが、リスクはあります。
ここでは、リスクを下記2つに大別したいと思います。
➀金融資産の価格(量)が減少するリスク
➁金融資産の価値(質)が減少するリスク
各金融商品の上記リスクと、その程度(発生可能性)について解説したいと思います。
1.現金
一見、安全なように思われますが、「価値(質)が減少するリスク」が、大きいです。
下記2つが、そのリスクとなります。
① インフレ・リスク(相対的な交換価値の減少)
物価が上昇すると、相対的に現金の価値は低下します。日本は平成の間デフレが続きましたが、実はその間であっても教育費は上がり続けました。例えば、国立大学授業料は、平成元年約34万円であったものが、平成30年には約54万円です。子供誕生と同時に4年間の大学授業料費として200万円を目標に積立しても、18年後の授業料は高くなっている可能性があります。また、今、200万円を準備できたとしても、18年後は、この金額では足りなくなる可能性があります。
② 使用できなくなるリスク(無価値となるリスク)
日本円が無価値になることは想像し難いですが、可能性はゼロではありません。日本円の価値を支える日本の財政が悪化した場合や、戦争などにより無政府状態になると日本円を他の商品に交換してくれる人がいなくなる可能性があります。これは外国の通貨でも同様です。外貨建てで債券投資をしている場合、投資先の国に通貨不安が発生すると多大な損失を被るだけではなく、最悪の場合には無価値になることもあり得ます。
2.預金
日本では銀行の信用度が相対的に高く、お金を守ってくれるイメージが強いと思われます。しかし、銀行は顧客のお金と銀行のお金を分別して管理していないため、銀行が経営破綻した場合には、預金1千万円までしか保証されません(預金保険で保証されます。銀行が自発的に保証してくれるわけではありません)。預金には「価格(量)が減少するリスク」があり、その程度(発生可能性)は、銀行の経営状態次第です(通常、信用格付けを参考にします。格付け会社が銀行の経営状況を分析し、信用状況に応じAAA~Dの信用格付けを付与します)。
次回は、債券について解説します。
佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)https://peregrine.co.jp/contact/