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元ファンドマネジャー
【IFA佐々木のコラム特別編】
公的年金の運用が改善しても、年金額はほとんど変化しません。

COLUMN
元ファンドマネジャー<br>【IFA佐々木のコラム特別編】<br>公的年金の運用が改善しても、年金額はほとんど変化しません。

資産形成・豆知識(特別版②)

(ご存知ですか?公的年金の運用に過度に期待してはいけません。)

公的年金の運用が改善しても、年金額はほとんど変化しません。

「年金積立金管理運用独立行政法人(通称GPIF)が日本の国民年金及び厚生年金を運用している」といわれていますが、正確には、「年金制度維持の一端を担っている」です。
驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、現行の公的年金のフローを見ると、それは明らかです。

(公的年金のフロー:イメージ図)

現役加入員の保険金が年金給付金を上回る場合においてのみ、現役加入員の保険金は積立金となり、GPIFがその積立金を運用していることになります。しかし、現行は、現行加入員の保険金は年金給付を下回っています。

(公的年金 平成29年度収支状況)

GPIFが運用している資産は約160兆円と“巨額”ですが、上記の通り、平成29年度は年間の年金給付は、年金掛金と主に国庫負担で賄われました。

GPIFのホームページでは、積立金の役割を「現役世代が納めた年金保険料のうち、年金の支払いなどに充てられなかったものが、将来世代のために積み立てられています。GPIFはこの年金積立金を、国内外の資本市場で運用して増やしています。年金積立金の運用収益や元本は概ね100年の年金の財政計画のなかで、将来世代の年金給付を補うために使われます。年金財源全体のうち、積立金からまかなわれるのは約1割です。」と記載されています。

すなわち、この積立金は「将来世代の年金給付を補うためのものであり、その賄われる金額は年金の約1割」に過ぎないのです(全体の1割の運用がうまくいったとしても、全体に及ぼす影響はそれほど大きくなりません。)。もちろん、年金給付額が増えることは好ましいので運用の改善を働きかけることは重要です。

しかし、このようなことから、積立金が枯渇する要因には下記の3つがあることがわかります。

●積立金の運用が思わしくないとき
●国庫負担が減るとき(給付金を賄うため積立金の取崩しが多くなる)
●年金掛金が減るとき(給付金を賄うため積立金の取崩しが多くなる)

国民年金及び厚生年金に係る財政の状況及び見通しー2019(令和元)年財政検証結果」で、メディアが「積立金の枯渇」がありうることを報道していましたが、この枯渇要因は③の「年金掛金が減るとき(給付金を賄うため積立金の取崩しが多くなる)」です。

年金給付が安定的に行われるためには、「少子化の改善」あるいは「年金掛金の増加(現役加入者あるいは所得の増加)」が不可欠なのです。

佐々木幸喜(IFA佐々木へのお問い合わせは以下のフォームからお願い致します。)

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