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ペレグリン・ポートフォリオ・ウォッチ2020年11月号

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Peregrine Portfolio Watch
2020 年 11 月号 Vol.11
再生可能エネルギー投資の組入れへ
【10 月の投資環境】マーケット・コメント
10 月の世界の株式市場は概ね横ばいながら、新型コロナ感染再拡大を受け欧州株式が下旬にかけてやや下落基調へ、米国株式市場も最終週に急落する動きとなりました。対して日本を含むアジア市場は比較的に堅調に推移し、年初来で見れば中国株式がプラスになってきています。
10 月月初で、11 月 3 日の大統領選挙の行く末を睨んで神経質な展開を予想していましたが、これに加えて欧米での新型コロナウィルスの感染再拡大が止まらず、一部の国や地域で経済活動の制限が再発動され、景気回復に水を差す警戒感が広がり、全体的にも高値更新の動きとはなりませんでした。
■主な投資行動とポートフォリオの状況
10 月末の当ポートフォリオの資産配分は、キャッシュ 50.1%、米国株式 29.9%、コモディティのゴールドが 10.2%、そして新たに組み入れた REIT 等で 9.8%となり、基準価額は10,740 円(9 月末比マイナス 71 円)でした。月中では基準価額は2%超上昇する局面もありましたが、月末の欧米株式の急落の影響により、基準価額は月間で約 0.6%のマイナスとなりました。当ポートフォリオが重点的に投資をしているナスダック指数を中心にゴールドの下げも基準価額の下落要因になりましたが、組入れている中型グロース株アクティブファンドは月中でもプラスとなり、当ポートフォリオの米国株式の下落分を和らげる結果となりました。
このファンドは購入時に円高局面を想定して為替ヘッジ付きを選択していたこともプラス要因となりました。
当社は 10 月に一時的に相場が不安定化する可能性を考慮していましたが、その中でポートフォリオの基本配分における REIT 等の枠で日本のインフラ上場投資法人を新規に組み入れました。
これは東証 1 部に上場している REIT とよく似た仕組みの投資法人で、不動産に投資をする代わりに太陽光など再生可能エネルギー設備に投資を行います。
世界的に温暖化抑制と再生エネルギーの利用拡大の流れを受け、今後の市場の拡大を期待するとともに、投資資金が直接的に社会貢献に資することができるのと、株価に当たる出資口の価格変動が比較的緩やかかつ REIT や株式よりも高い配当利回りが期待できるというメリットを評価し、組み入れを決定しました。
その他については当ポートフォリオは 50%のキャッシュを残していることから、現状維持としました。
■ポートフォリオの基準価格推移(2020 年 1 月~2020 年 9 月 30 日)

■2020 年 9 月 30 日時点のアセットアロケーション

■組入れ資産の状況

■今後の方針と見通し
今月 3 日の大統領選挙という大きなイベントを通過し、様々に予測されていたシナリオや相場展開はさておき、結果的には政治的混乱に乗じて下落を狙った投資家の敗北、買い戻しという形で世界的な株高になりました。また、9 日には新型コロナウィルスのワクチン開発のニュースが飛び出し、これまでコロナ禍で苦しんできた欧州株式や NY ダウ銘柄が大幅上昇する一方で、コロナ後の需要拡大を背景に成長してきた主にナスダック指数関連銘柄が大幅安となりました。
大統領選挙の不透明感は後退しましたが、米連邦議会上院選については来年 1 月まで結果は分からない状況で、いわゆるねじれ議会になると思い切った政策は実現しづらく、選挙前の株高の要因となった大規模な財政出動の可能性も低下します。当面は大きなネガティブサプライズが起こる可能性は低いかもしれませんが、今の株高局面から徐々に冷静になり、政策の混乱から一時的な調整局面が来ることは十分想定できます。
また、ワクチン開発が順調に進んだ場合に注意しなければならないことは、株高が進み、景気回復のめどが立ってくると、各国の巨額の財政・金融政策対応で手を引く国が出てくるかもしれないことです。特に、日米欧の主要地域で大規模な金融緩和政策の修正や出口戦略が市場の話題に出始めると、毎回のことですが市場の混乱につながる可能性が高いです。
とは言え、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長はバイデン新大統領であっても超緩和的な金融政策を続ける見通しであり、バイデン氏も FRB の新型コロナ対応に文句は言わないと思われます。無用の混乱を避ける点でも大きな人事は行わないと考えられ、コロナ禍で苦しむ失業者や企業を救済するために大規模な政府支出が必要になることから借り入れコストは確実に低水準に留める必要があり、バイデン氏にとっても FRB の手助けは欠かせないものだからです。
当ポートフォリオは、大局的に見て今回のような短期的な上昇局面では保有資産の売却を急がず、またなかなか次の買い機会に恵まれてはいませんが、上記の理由から引き続き米国株式と、コロナ禍で需要を伸ばす日本のグロース株式への投資機会を待つ方針に変更はございません。
■インフラ上場投資法人の新規組入れについて
当ポートフォリオは、基本配分で 10%に設定していました REIT(不動産投資信託)枠で、同じような仕組みでありながら不動産ではなく再生可能エネルギー施設に投資をするインフラ上場投資法人を新規に買付けました。
本投資法人の簡単な仕組みは、投資家や銀行から調達した資金を太陽光発電設備に投資し、そこから得た売電収入を出資者へ分配金として出すもので、上場株式や他の REIT 同様に東証で取引されている投資商品になります。主な組入れ理由としては次の 3 つになります。
●菅政権のもとで、今後長期的に再生可能エネルギーを他の電源に比べ上位の主力電源にしていくとの表明がなされており、地球温暖化対策の点からも今後の政策支援や技術促進が期待できること
●株式や REIT と比較して、投資した資金がどのようなものに何を目的として使われるのかがより明確であり、大きな意味で社会貢献的な投資という実感が得られること
●円建ての投資商品でありながら値動きの安定性や現状 6%程度の配当利回りが期待できる点で他にない投資妙味を有していること以上を踏まえまして当ポートフォリオは引き続き、米国を中心とした政治的な不透明性、新型コロナウィルスの感染状況、世界経済や企業業績の回復の状況など、市場に影響を与える主なリスク要因を注視しながら下落局面での追加投資をじっくり検討していく方針です。

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